彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
by saiseidoh
プロフィールを見る
画像一覧

「芸術が救った晩年」…



 リクルート事件ばかりが江副浩正という人物をクローズアップさせる。

 当方も、そんな世間の評価をそのまま受け止めていた人間だが、違った側面を持つ興味深い人物でもあるようだ。76歳で失意のうちに(世間的には、という前提での失意だろうが…)最近亡くなり、彼を取り上げる記事などがポツポツと目に付く。

 当方が見方を変えるきっかけとなったのは、表題を見出しに出した、朝日新聞の記事だ。

 いわく。江副さんは表舞台から去って後、永年愛好し続けたオペラに関して興行するための会社を興したり、若手育成のための財団法人を設立している。

 記事の筆者(吉田純子、と署名がある)はこう言う。

 「文化は外交や経済の一部。だからこそ経済界からも文化への投資を。そう江副さんは元ソニー会長の大賀典雄さんと二人三脚で訴えてきた。2年前に大賀さんが先立ったとき「芸術の重みを一緒に守ろうと約束した同志だった」と目を潤ませた。…」

 そうだ、経済ばかりが人間が生きていく糧ではない。経済が政治が少しでも元気がないなら、例えば文化がフォローすればよい。文化にはできることがたくさんあるのだと思う。そして、経済も政治も芸術も同列である。

 江副さんや大賀さんもそういう事を身にしみて感じたのだと思う。第一、文化はどんなものであれ、触れれば楽しいじゃないか…。

 江副さんには次のような著書がある。

・『不動産は値下がりする! 「見極める目」が求められる時代』(中央公論新社)
・『リクルート事件・江副浩正の真実』(中央公論新社)
・『リクルートのDNA 起業家精神とは何か』(角川書店)
・『かもめが翔んだ日』(朝日新聞社)

 あるいはあるのかもしれないが、オペラに関する本を読んでみたい。心からそう思う。

 オペラには縁遠い当方だが、少し目覚めたのは、ロシアの映画監督、ニキータ・ミハルコフによる『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』。プッチーニの歌劇「ジャンニス=キッキ」から、ラウレッタのアリアが映像とともに流れた瞬間、何とも言えない感激?胸に迫るものを感じたのだった。(※この映画紹介等を見ると、だいたいが劇中歌としてドニゼッティ“愛の妙薬”について触れている。当方もこの歌とジャンニス=キッキを間違えているのだろうか?)

 江副さんが若き日に興したリクルートの存在も感慨深い。フリーで苦労していた当方が若い日々、たぶん『リクルートブック』と呼んでいたはずだが、掲載する企業紹介の取材でスタッフの方々にはお世話になった。一様に学生のような若いスタッフが活き活きと働く姿が印象深かった。
[PR]
by saiseidoh | 2013-02-14 20:45 | Comments(0)

外部リンク

フォロー中のブログ

ホクレレ2

最新のコメント

先日、大橋巨泉についてブ..
by プログレ at 20:12
本当にそうですね。東京に..
by saiseidoh at 20:15
乾ききった魂に、沁み込ん..
by JUNNKO at 12:17
私も同じかもしれません。..
by Takeshi at 23:24
 評論、というほどの事は..
by saiseidoh at 12:43
日経の文化欄を好むもので..
by Takeshi at 12:12
私も一度、登山で行ったこ..
by プログレ at 16:10
 コメント有難うございま..
by saiseidoh at 21:34
世の中ではびっくりするほ..
by saiseidoh at 20:20
ブログにコメント書くの初..
by きょうこ at 21:55

メモ帳

最新のトラックバック

venushack.com
from venushack.com
www.whilelim..
from www.whilelimit..
www.whilelim..
from www.whilelimit..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
浮世絵の誕生・浮世絵の歴..
from dezire_photo &..
電子貸本Renta!で評..
from 最新お得情報

検索

ブログパーツ

ファン

ブログジャンル

本・読書
北海道