彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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加藤諦三さんの仕事

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 中学~高校時代の悩み多き時代に当方の前に登場したのが、加藤諦三氏だった。「俺には俺の生き方がある」(大和書房)、「もう一度生きなおそう」(同)などの本だ。最近読んだ「非社会性の心理学」(角川Oneテーマ21)から。

 所得格差や学力格差は眼に見えるが、情緒的成熟格差は眼には見えない。…所得格差よりも…情緒的成熟格差ははるかに大きく深刻である。

 今の日本にとって非社会性の解決が最大の緊急問題である。それが優先順位1位である。

 自民党連立政権時代には構造改革(小泉前首相が特に推し進めた、となっているが)。そして民主党連立政権スタートで「生活第一」ということで経済基盤や地域の再生、またまた逆転して自民党の一人勝ちでアべノミクス…と政治は鬱陶しい事ばかりだが、「人間の成長」や「人の育成」への配慮(※広くとらえれば教育ということになるのだろうが、狭い意味の公教育のみでは解決は覚束ないだろう)はいつの時代にも政治とは無縁の、最重要課題のはずだ。教育が政治との関連で取り上げられることがわが国の大きな不幸ではないだろうか。

 著者の加藤諦三氏は40年にもわたり、心理学や日本人の心理構造、メンタルヘルスなどの研究を続け、一方、「ラジオ人生相談」を通じ、生身で現在を生きる日本人の悩みを長年聴き続けてきた。

 人間がいきいきと生きていく上で大切なのは人と人とのコミュニケーションや感性、時代を共に生きているという共有の感覚などではないだろうか。

 本の大半で「非社会性」といった言葉や生きていく上での「自明性」などの言葉が繰り返され、抽象的な言及が多い。しかし、わが国における「非社会性の歴史」や心理学の成果などを踏まえた具体的な論考部分でその考え方や分析は納得できる。

 私も現代の日本で最優先しなければならないのは、経済成長でも学力向上のみを人間力の向上としてしかとらえない教育の再生といった安易なことではないと考える。地味な取り組みだったとしても、社会を構成する一人ひとりの成長・成熟を促す仕組みを考え、それぞれが家庭や地域で(あるいは職場で)粘り強く実行していくことだと思う。

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by saiseidoh | 2013-04-01 19:09 | その他 | Comments(0)

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