彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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武市好古『ぼくのジャズ・ヒット・エンド・ラン』

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 タイプ的にジャズは似合わないのだが(笑い)、若い頃からジャズの世界には憧れがあった。かといってジャズファンにはならなかった。何と言えばいいのか、氏も育ちも純和風なのだろう。要するに、似合わないのだ(しつこいですが…=笑い=)。

 しかし、何回かこれまでにも触れている、故・麻生芳伸さんや本日紹介する武市好古さんの本のジャズや大衆文化に関するくだりなどを読むと、その素晴らしさに心がときめく。武市はこのように書く。

 
 「ぼくたちは、自分の生きている時代に責任がある。自分の考えで、本物と偽者の区別をしなければならないのだ。…」

 「うたは人なり。歌手の個性的なスタイルによってうたわれるうたこそ本物のうたである。…」

 ジャズやミュージカル、映画、演劇はじめ、大衆文化をめぐるエッセイ集がこの「ぼくのジャズ・ヒット・エンド・ラン」。政治や経済を語るわけではないが、生きていく上で大切なこと、世の中を変えたり、よくしていく上で大切なこと。それは、「遺したいもの、後に続く世代に伝えたいこと」を一人一人が大事にし、日々、小さな力を社会に発信していくこと。そんな著者の思いや息遣いが感じられる。大切なのは自分らしさや個性であり、それを自分なりに足固めしていくことだ。

 そんな理屈より何より、読んでいて楽しい。「人生の五月病」「私情の愛」「ぼくの好きな人生」…。「ぼくの好きな人生」ではこう語る。

 『要は肩の力を抜いて、楽な気持ちで、自己に忠実に生きることである。本当に自分の好きなものをひとつだけ持つことだ。ひとつでいいのだ…』

 読むことの至福の時間…。

 「白石かずこは現代最高の魔女だ!」では国内外で活躍する現代詩人、白石かずこさんの音読を取り上げる。

 
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 白石さんは、20年近くも前に自死した私の母がどういうわけか一時期、ご自宅にせっせと通い、著書なども貰ってきていた、気が合う…などと語っていたという私的な思い出もあり、さらに感慨深い。

 私の母は秋田の山奥の生まれで高等小学校卒業、学歴はほとんどなく、何故、白石さん宅に一時期通ったのか、今でも不思議だ。母は学歴はない割には読書はまあ好きだったが、どんなご縁があったのか、いくら考えてもわからない。私的には永遠の謎になってしまっている。

★武市好古「ぼくのジャズ・ヒット・エンド・ラン」=
 音楽之友社刊、1,600円。私の奥付には、昭和61年2月20日第1刷、昭和61年4月18日購入、とある。

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by saiseidoh | 2013-06-22 11:26 | サブカルチャー | Comments(0)

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