新しい哲学を求めて
続き・志木電子書籍
昨日、前回紹介させていただいた志木電子書籍の京谷六二さんが改めて、ホームページでなぜ今、「風流夢譚」の電子書籍化なのか、と詳細を書いている。曰く―
…ところが、それでもこの国の原子力政策は変わることはありません。
「たとえ東京電力が何度倒産しても、日本という国が破産しても贖いきれないほどの被害がすでに出ている」(京都大学原子炉実験所・小出裕章助教)にもかかわらず、原子力発電を推進してきた東京電力の会長、社長以下の経営陣、あるいは原子力ムラの人びとの誰一人として責任をとっていないのです(現首相の安倍晋三も、前回の首相時代、共産党の吉井英勝議員の質問に答えて「事故は起きない」と答弁しています)。
こんな状況の中、もし「風流夢譚」を現在に設定し直したら…
その舞台は皇居ではなく東京電力本社の前であって、断罪されるのはその経営者たちになるのではないか。
私はそんなふうに思ったのです。
そして、だとすると──。
50年前の深沢氏の「やっぱり何も変わらないじゃないか」という問いかけは、今なおわれわれ国民に、鋭く突きつけられているのであって、もしこれだけ破局的な原発事故を経験してもこの国が変わることができなければ、後世に多大な困難を残して何一つとして責任をとらないことになってしまいます。
本当にそれでいいのでしょうか?
小出裕章氏は「これだけの事故が起きても変わらなければ、この日本という国はダメだと思います」とおっしゃっていますが、このまままた「夢譚」に終わってしまっていいのでしょうか?
そういう思いも込めて、「風流夢譚」の電子化をした次第です。…
以上です。
この記事を読み、当方は哲学者、森有正が随想「木々は光を浴びて」で書いた次のようなことを思い出しました。
…滞日中のフランス人のごく普通の若い女性が殆ど独り言のように「第三発目の原子爆弾はまた日本の上へ落ちると思います」という衝撃的な発言をしました。この発言に胸をかきむしられる思いで、森は放心したように、大学構内(国際基督教大学)で木々が光を浴びてきらきらと輝く光景をじっと見つめます。…
確かに不謹慎といえば不謹慎ですが、深沢七郎も森も、そしてフランス人女性もその絶望の深さから、そう思わざるを得なかったのではないでしょうか?
日本という国、日本人の反省の薄さに危機感を覚える人は確実に存在するのです。
★桜木紫乃と『北海文学』=最近、地元のブロック紙、北海道新聞が桜木紫乃が参加していた同人誌『北海文学』と原田康子、桜木らの紹介を特集ページで行っていました。そして、本日の新聞広告『オール読物』、地元に凱旋してさまざまな活躍をしているようです。素晴らしいですね。
…ところが、それでもこの国の原子力政策は変わることはありません。
「たとえ東京電力が何度倒産しても、日本という国が破産しても贖いきれないほどの被害がすでに出ている」(京都大学原子炉実験所・小出裕章助教)にもかかわらず、原子力発電を推進してきた東京電力の会長、社長以下の経営陣、あるいは原子力ムラの人びとの誰一人として責任をとっていないのです(現首相の安倍晋三も、前回の首相時代、共産党の吉井英勝議員の質問に答えて「事故は起きない」と答弁しています)。
こんな状況の中、もし「風流夢譚」を現在に設定し直したら…
その舞台は皇居ではなく東京電力本社の前であって、断罪されるのはその経営者たちになるのではないか。
私はそんなふうに思ったのです。
そして、だとすると──。
50年前の深沢氏の「やっぱり何も変わらないじゃないか」という問いかけは、今なおわれわれ国民に、鋭く突きつけられているのであって、もしこれだけ破局的な原発事故を経験してもこの国が変わることができなければ、後世に多大な困難を残して何一つとして責任をとらないことになってしまいます。
本当にそれでいいのでしょうか?
小出裕章氏は「これだけの事故が起きても変わらなければ、この日本という国はダメだと思います」とおっしゃっていますが、このまままた「夢譚」に終わってしまっていいのでしょうか?
そういう思いも込めて、「風流夢譚」の電子化をした次第です。…
以上です。
この記事を読み、当方は哲学者、森有正が随想「木々は光を浴びて」で書いた次のようなことを思い出しました。
…滞日中のフランス人のごく普通の若い女性が殆ど独り言のように「第三発目の原子爆弾はまた日本の上へ落ちると思います」という衝撃的な発言をしました。この発言に胸をかきむしられる思いで、森は放心したように、大学構内(国際基督教大学)で木々が光を浴びてきらきらと輝く光景をじっと見つめます。…
確かに不謹慎といえば不謹慎ですが、深沢七郎も森も、そしてフランス人女性もその絶望の深さから、そう思わざるを得なかったのではないでしょうか?
日本という国、日本人の反省の薄さに危機感を覚える人は確実に存在するのです。
★桜木紫乃と『北海文学』=最近、地元のブロック紙、北海道新聞が桜木紫乃が参加していた同人誌『北海文学』と原田康子、桜木らの紹介を特集ページで行っていました。そして、本日の新聞広告『オール読物』、地元に凱旋してさまざまな活躍をしているようです。素晴らしいですね。
by saiseidoh
| 2013-08-22 20:30
| ★地方・小出版★
|
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