彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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カテゴリ:古典文学( 2 )

岩波古語辞典

 かつて中学教諭・国語免許取得のため古文等の授業を受けた。それから○十年、必要があって書庫に残っていた古語辞典を取り出し、翻訳のような事にチャレンジしているが、これが結構面白い。
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 学生時代と雲泥の差、である。あの頃は全く古典、古文、漢文等の素養は身に着かなかった。

 それなりに社会人としての経験を積み、かつての時代について読書し、学び…そんなことを経て来ると、昔も今も実は人間がやっていることには大して違いはないのではないか、と思うようになった。
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 そうすると、古文や古語辞典は俄然、異なった輝きを持つことになる。

 岩波古語辞典は1974年刊行で、当時は知らなかったが、編纂の大野晋らがそれまで20年近くもかけてまとめ上げた、まさに労作だったようだ。

大野は「序にかえて」で次のように記す。

「…だれしも、日本人であれば、知的世界に目覚めたとき、眼前にヨーロッパ・アメリカの学芸と技術とを見るであろう。それを学び取ることが日本の将来をきりひらくと多くの人は考える。しかし、ヨーロッパ・アメリカに学ぼうとする主体である日本とは一体何であろうか。
 日本の思想や文化の源流を尋ねるには、さまざまの道がある。しかし、その中で私は、日本語を明らかにすることによって日本を知るという行き方を選んだ。日本語の根源を明らかに知るために、私は古代日本語を学び、その展開として、日本語の系統あるいは成立をぞ知ることを重要な課題と考えた。そこで私は日本語とアジアの言語との比較を試みたことがあったが、その際に、基礎語なるものが実に重要であることを身にしみて感じた。基礎語は、日本人の物の判断の仕方を根本的に規制している。また、それは長い年月にわたって使われ、変化することが少ない。日本を理解するために、基礎語の個々の意味を明確に把握することは、一つの大事な仕事である。」
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 古典、古文から当時の日本人の生き生きとした姿を知る。そしてそこにはこれからを生きる日本人に、さまざまな手がかりを与えてくれる、豊かな財産がぎっしりと詰まっている。

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by saiseidoh | 2013-11-14 08:05 | 古典文学 | Comments(0)

和本リテラシー

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 林美一「好色赤烏帽子・好色美人角力」(有光書房、1966刊)をようやく手にした。

 確かに、和綴じ本を手にし、読み始めてみると、読みにくい。中学・高校あたりから古文・古典、あるいは国語の授業で古文を習い、大学では国語教諭のカリュキュラムを取ったにしては、心許なさすぎる。

 中野三敏「和本のすすめ――江戸を読み解くために」 (岩波新書)という新書もある。今からでも遅くない?難しく考えずに読み解く必要、「和本リテラシー」を身につける必要が大いにありそうです。

 最近痛感するのですが、室町や江戸などの時代も、明治・大正時代なども、そこで人間が暮らし生きていたことに変わりはない。その伝でいけば、海外、外国人も人間であることに変わりはない。

 それを活き活きと理解できないのは、何といっても「言語」の壁があるからではないか。明治時代に書かれた文章さえも私たちには活き活きと読むことができない。外国とあまり変わらない…。

 昔の書籍はカビが生えたつまらないもの、ではなく、豊かな文化的背景があったことを反映しているはずだ。知的興味を満足させ、私たちが生きる道を示すヒントにあふれているのは間違いない。
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by saiseidoh | 2013-10-29 19:07 | 古典文学 | Comments(0)

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