彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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野呂邦暢「失われた兵士たち 戦争文学試論」

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 野呂邦暢「失われた兵士たち 戦争文学試論」(芙蓉書房、1977年刊)。言葉に重さがある。丁寧に書かれた戦争論、そして一兵卒の視点。こうした文章はいかに時代が変われ、普遍性を持つ。

 そして現代。全ての言葉が軽く、空々しい。代表格がネットの言葉だ。大手ネットのニュースページですら(資金はあるにもかかわらず)、独自性はない。オリジナルがないところに人間の発展や成長はない。



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by saiseidoh | 2017-10-07 20:51 | わたしの「選書日誌」 | Comments(0)

「信仰と精神の開拓者」

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TBSブリタニカの刊行物はあまり読んだことがない。『日本のリーダー』シリーズのうちの1冊、「信仰と精神の開拓者」は弘南堂書店の均一棚で思わず手に取ったものだが、読んでみるとこの本はとてもいい。

明治以降、キリスト教、仏教、新興宗教を問わず、「大勢に順応せず」思想を深め、切り開いた人として紹介されている。それぞれの人物について高橋揆一郎、稲垣真美といった当時勢いのあった文筆家が書いているのも評価できる。

ここに登場するのは6人だが、巻末の人物小伝には暁烏敏や賀川豊彦、明石順三、矢内原忠雄など、その思想の鉱脈を辿るにふさわしい先人達も紹介されている。

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by saiseidoh | 2017-09-28 08:47 | わたしの「選書日誌」 | Comments(0)

橋爪大二郎「丸山眞男の憂鬱」

 ★橋爪大二郎「丸山眞男の憂鬱」(講談社選書メチエ)。この本をこのブログに書きたくて、今朝ライフログで登録しようとしたが、何回やってもうまくいかない。そして今もやってみたが、できない。どういうことなのだろうか?ネットはこれだから扱いが難しい(笑い)。

 ☆テレビニュースに映る現政権(自民党、公明党)幹部らの面々の表情をみていると、腹が立って仕方がない。特に公明党、だ。どんなことになろうとも、●●晋三に付き従っていくらしい。人間としての良心があるのか、と腹立たしい。いずれ、後世の史家が適正な評価を与えるだろう。




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by saiseidoh | 2017-09-22 21:38 | わたしの「選書日誌」 | Comments(0)

藤田若雄「混迷と退廃のなかから」

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 ★大塚久雄・藤田若雄「混迷と退廃のなかから われわれキリスト者は考える」(みすず書房)。以前にも取り上げたように思う。大塚久雄は著名な西洋経済史家、藤田若雄は大塚ほど名前は知られていないが、北海道妹背牛町出身で労働法や労働問題を専門とした。二人に共通するは矢内原忠雄門下で、この本も矢内原が死去し五年を機に集会が持たれ、その模様をまとめたもの。昭和42年にまとめられた。集会では「国民の理想を求めてー学生と働く人々の内面の問題」をメインテーマに、大塚や藤田らが講演した。
☆現政権(某首相と同義だが)の問題性はトップが退陣することでしか解決されない。ずっとそのように考えている。あらゆる手段を使い、延命を図っているとしか見えない。

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by saiseidoh | 2017-09-21 08:24 | わたしの「選書日誌」 | Comments(0)

久保栄「火山灰地」

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 ★久保栄「火山灰地」(戯曲、2部構成、昭和12年新潮社刊)は「北海道の一農業都市を舞台に、多彩な人物群像を通して、資本主義下の農業の問題点を描き出した」(『大辞林』)新劇の名作中の名作。最近入手したのは、昭和49年長く待たれていた再刊として、『火山灰地』顕彰会が刊行したもの。久保栄の年譜や解説など(3篇)が付いているのがまたいい。

 ☆久保栄や「火山灰地」への関心はいつ頃からだったのだろうか。実はそれほど古いことではなく、せいぜい5,6年前頃に職場で窓際族となって悶々としていた折、船山馨の「石狩平野」を読んでいたことがきっかけだったように思う。
 「石狩平野」は名作で、明治から昭和にかけての北海道や、そこに生きた人びとの哀感、苦悩、喜びなどを大河小説のように描いていた。当時の北海道をさらに知りたいとその延長でさまざまな作家の作品を読んだ。その一つが船山と同じく札幌出身の久保栄。今でも船山や久保には関心がある。そして、この「火山灰地」という作品から学び取れることはまだまだあるように思うのだ。


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by saiseidoh | 2017-09-17 18:15 | わたしの「選書日誌」 | Comments(0)

浪江虔「図書館運動五十年―私立図書館に依って―」

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 ★浪江虔(1910-1999)は札幌で生まれ、父が一時、帝国製麻札幌工場長をするなど、北海道と縁が深い人。昭和時代の農村文化運動家とされる。東京帝大在学中に農民運動に入り、同大を中退。治安維持法違反などで6年間投獄されるなどの経験もあった。昭和14年から東京の鶴川村(町田市)に住み、南多摩農村図書館(のち私立鶴川図書館)を開設。戦後は地域図書館づくりや住民運動に尽くした人として知られる。
 「図書館運動五十年」(日本図書館協会、1981年刊)はさまざまな本や図書館づくり、本・図書館をめぐる旅などについて触れていて、大変読み応えがある(索引も充実)。それにしてもあまり知られていなくても、過去には凄い人がいたものだと痛感する。歴史や過去から学ぶことは無尽蔵にある。

 ☆図書館というものを意識したのはいつごろからのことだろうか?小学校高学年の頃から図書館には出入りしたように思うが、そこに連日通った、というほどの本の虫ではない。しかし、旺文社文庫などで下村湖人「次郎物語」や「レ・ミゼラブル」などの長編を飽かず読んだ記憶はある。
 中学、高校と岩波文庫を大量に読み、思春期、人生に思い惑った際には短期集中講習で短大に通い、図書館司書補という資格を得た。本や図書館というのはその頃からすでに私の人生に刻印されたのかもしれないと思う。



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by saiseidoh | 2017-09-16 18:59 | わたしの「選書日誌」 | Comments(0)

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