彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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カテゴリ:その他( 124 )

「自分の作りたい本」

 北海道出身で多少の関心はあったのだが、ノンフィクション作家、久田恵さんの感慨に改めて、なるほどそうだな、と共感を持つ。

 「…これからは自分の作りたい本は自分で作る時代に入ったのだ、と…」(15日付、北海道新聞夕刊”人生つれづれ”)

 自らが必要とする情報や災害に関わる情報などは主体的に…などと語られることはある。しかし、久田さんの文章は自らが高齢期を迎え、さまざま体験した中から発せられる、出版をめぐっての、感慨である。

 これは本や出版だけに限らない。売れそうなものだけを追い過ぎ、自分たちが出したいものや価値ある本を作ることをしない(主流を担う人々が)。世の中に残すべきもの、価値あるものを追わず、目先のことだけにとらわれる。いつからこんな風潮が強く広まったのか?

 少なくても本や出版界(の主流派には)期待はできないと考える。どうでもよい、無価値なものだけが幅を利かせ、良いものは駆逐される。本来、そうあってはならないことだ。

 自分が良い、と信じたもの、信じた本は自分自らが作り、自分の責任において広めていくしかない。つくづくそう思う。


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by saiseidoh | 2018-11-16 20:16 | その他 | Comments(0)

勢古浩爾「ウソつきの国」

最後の吉本隆明 (筑摩選書)

勢古 浩爾/筑摩書房

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ウソつきの国

勢古浩爾/ミシマ社

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by saiseidoh | 2018-05-27 08:24 | その他 | Comments(0)

人間力・本の力

 マリリンこと、カーリングの本橋麻里さん(LS北見)が次のように語っている(朝日新聞25日付)。

 「…カーリングしかしないという日本のスタイルには限界がある…。人間力のあるチームを作りたいというのがきっかけだった」

 全てにおいて通用するように思う。「働き方改革」=「働かせ方改革」にしかなっていない現政権の貧しい政策もそうだ。生産性のみを上げることに血眼になり、人間を観ていない。どんな場面でも人間はスポーツや経済活動のみをするわけではない。仮にスポーツを戦い抜き、勝ったとしてもそこに人間としての優しさやそこに至るまでの蓄積や生活や、文化がなければ社会にとっての夢や希望は何もない。

 

歴史のかげに美食あり 日本饗宴外交史 (講談社学術文庫)

黒岩 比佐子/講談社

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 私たちは人間としての豊かさや優しさを常に意識し続けたい。それらを獲得するものとして、本の力は限りない(はずだ)。


 


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by saiseidoh | 2018-02-25 08:02 | その他 | Comments(0)

求人情報誌

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 かつて「リクルートブック」というリクルート雑誌?があった。私も一時、掲載を決めた企業にお邪魔し、掲載記事を執筆するための取材を1年間ほど行った。

 今はネット時代で、Webでリクナビとか、マイナビとかがあるようだ。一方、フリーペーパーとして募集情報をぎっしり詰め込んだ情報誌も津々浦々にある。しかし、ネットもホームページその他で時間をかけて造り込めば質の高いものが出来上がるだろうが、そうした一部を除き、簡易な媒体ではその企業の理念や方針、思いがほとんど伝わらないのではないだろうか?特にフリーペーパー式の情報誌では軽はずみな、「簡単にできる」や、「短時間で超高給」など、ひと目を引く惹句が際立っている。厳しい労働なくして、高給などということがあり得るはずがない。

 ネットでも何でもいいのだが、かつてのリクルートブックのように建前でも企業理念を語る媒体が必要ではないだろうか。

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by saiseidoh | 2018-01-30 07:55 | その他 | Comments(0)

口コミサイト

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藤森修さん(東海大准教授)という方が北海道新聞夕刊の“魚眼図”で口コミサイトについて触れている。

漁師と一軒宿を兼業する海の男が経験した口コミサイトに関するエピソード。ある辛辣な意見がもとで、宿が座礁してしまった経緯を簡単に書いているのだが、学生らも食事先の評判はサイトで調べ選定している、と。私たちも実は職場の宴会選びなどには知らずしらずにこうした行動を取っている。

こうしてブログなどもやっているが、ネットやSNS、PCとの付き合い方には相当に注意しないとならない。そろそろ、ネットより、現実世界を充実させていくことの方が大切なことに私たちは気づかなければならない。まあ、ネットの方が「儲かる」(それが社会の発展だ、などと誤解する限り)と幻想を抱き続ける人間たちがいる限り、この歪(いびつ)な世界はいやな方向に爆進し続けるに違いない。

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by saiseidoh | 2017-12-16 07:26 | その他 | Comments(0)

「漫画 坊っちゃん」

DeNAのまとめサイトで多くの記事で著作権違反があった、とする報道がある。思えば、ネットの世界ですら法律を守るのは当たり前と言えば当たり前だ。ネットの日常化で私達の感覚が麻痺してきたのではないだろうか。やはり、ネットであろうと、現実であろうと、「質」や良いものを追求すべきなのだ。

印刷文化が全て良いわけでもない。「質」や表現の仕方の革新も常に求め続ける努力は必要だろうと思う。


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by saiseidoh | 2017-03-14 07:28 | その他 | Comments(0)

「登川村と田村清考①」

 5、6年ぐらいが経ったと思うが、田村清という人が気になり、ずっと調べ続けている。昭和10年に22歳という若さで夕張で亡くなった人だ。その一端は「若き日の藤田若雄と田村清」という電子書籍(アマゾン)で公にはしたが、どうも田村清という人やその時代のことを十分に表現した、とは思えないし、自分でもその文章などでは物足りない。

 やはり、改めてまとまった作品にしてみよう、と考えたものの、既存の発表形式ではなかなかまとめきれない。ノンフィクション形式にするか、評論形式にするか…。いくら考えてもまとまらない(まとめる力がないだけだろうが…)。

 そこでまずは現状で「表現すること」が大切なのでは、と思い直し、田村清や周辺のことを気ままに・自由に書いていこうかと思う。なぜ気になるのか?何に惹かれるのか?ある程度はまとまりを持たせながら、エッセー風に書いていってみたい。


 登川村

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        (「開村二十周年記念登川村勢一班」より)

 登川村、と言っても今やよほどの高齢者か研究者ぐらいしかわかる人がいないのではないか。私も田村清のことを調べ始める前には全く知らなかった。


 登川村。かつて夕張はそう呼ばれていた。明治時代から昭和初期ぐらいまでだろうか。そして、私の手元には「開村二十年記念登川村勢一班」という小冊子のコピーがある。札幌市中央図書館で見つけていただき、私用を前提に複写させてもらったものだ。

 道内市町村名の変遷がよくわかる「北海道の歴史」(山川出版社)によると、登川村は明治39年4月1日に二級町村制を施行した。大正7年には初めて「夕張町」と改称し、昭和18年4月市制を施行、夕張市となっている。


 ※一週間に一回程度の割合で書いていきます。平日は仕事をしていますので、土曜・日曜掲載が一つのサイクルになると思います。

 


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by saiseidoh | 2017-03-05 21:47 | その他 | Comments(0)

「言葉の贈り物」「コブのない駱駝」

 毎日曜日の新聞読書ページ。今日は2冊に心惹かれた。

 若松英輔「言葉の贈り物」(亜紀書房)。きたやまおさむ「コブのない駱駝」(岩波書店)。精神科医・北山修さんのインタビュー記事。「帰って来たヨッパライ」で一躍有名になりながらも、すぐに京都府立医大に復学し、さらに「過去を捨てて北に向かう」、札幌医大内科で2年。記事によると、ここで「心の師」と仰ぐ、和田武雄先生と出会う、とある。

 和田武雄先生は偉大だった(あまり好まない言い方ではあるが…。私も北山氏同様に“心の師”と呼ぶことがふさわしい方と考えたい)、と私も痛感する。


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by saiseidoh | 2017-02-12 13:22 | その他 | Comments(0)

時代や歴史の深さ・楽しさ

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昨日の日経最終面を何気なく目にすると、その前日に注文が入った本の書影が掲載されている。

浦西和彦さん(関西大学名誉教授)という方の「日本文学に漂う湯の香り」と題する寄稿と石坂洋次郎「東北温泉風土記」だ。いつもの弘南堂書店の均一棚で半年前くらいに見つけた本だった。

改めて調べると、現時点ではアマゾンでの取り扱いはなく、「日本の古本屋」で1000〜5000円ほどで十数冊出ている。古書店や古本屋で本を見つける楽しみはいろいろある。

•自分が欲しいと念願していた本を見つけられた時
•高く売れそうな本が見つかった時
•いい本だな、と思え(手元に置いておきたい)かつ多少は高く売れそうな本を発見できた時

他にも楽しさや魅力はあると思うが、時代時代の動きや雰囲気、歴史の奥深さを如実に感じられるのも良い。「日本文学に漂う湯の香り」と浦西氏の紀行文もそうしたことを感じさせるものだ。
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by saiseidoh | 2016-12-03 08:53 | その他 | Comments(0)

みすず書房「テクノロジーは貧困を救わない」

 みすず書房の数冊のエッセイが目に付いた。

 前にも上げた長田弘「幼年の色、人生の色」、斎藤貴男「失われたもの」、外山健太郎「テクノロジーは貧困を救わない」。それぞれに2,000~3,000円代の本、エッセイ。手元に置いて読みたいが、高くて購入できない。いつの頃から、こんなに本を買えなくなってしまったのだろうか?本は決して高いとは思わない。生活に余裕がないのだろう…。

失われたもの

斎藤 貴男/みすず書房

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by saiseidoh | 2016-11-27 08:13 | その他 | Comments(0)

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