彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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アンチ消費社会…?

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 通勤の途中、ラジオでHBCラジオ「朝刊さくらい」を聴くのが一つのリズムになっている。そして、「今朝の三枚おろし」(7時40分頃)、火曜日のコメンテーターは大好きな館浦あざらしさん。

 29日(火)の放送で小学館発行のPR誌「本の窓」のことを誉めて?いた。読みたくなり、ホームページをチェック。特に、俳優・菅原文太と元沖縄県知事・大田昌秀氏の対談(連載)で「なぜ今の沖縄がこうなっているのか…歴史を知れば納得する…」云々(正確でなくすみません)。ホームページの目次を見ると、副題は「外野の直言、在野の直感」とある。連載ももう24回も続いているんですね…。ますます読みたくなりました。

 もう一つ、館浦さんが話していたことで印象に残っているのは。「何も高い本でなくても、この本の窓のようにわずか100円でも中身はいっぱい詰まっている…」。確かにそうです。PR誌だから中身が薄い訳でもないし、100円だから中身が薄い訳でもない。逆に言えば、高いものが全て価値あるわけではない。特に文化系は!(文化系、という表現は舌足らずですが)。

 論点が飛躍するが、消費、消費社会が最優先される社会は貧しい社会だと思う。やはり小さな額でも小さな一歩でも創造する行為、活動こそが貴重だと思う。

 園子温再び…
 こんな事を鬱々と考え、食事しながら夕刊(朝日)を見ていると、「核なき世界へ」という連載で園子温監督が登場し、福島や広島、長崎のことを語り、「それくらい忘れた日本って何なのか。この国の流れのままに生きていたら、そういう無関心になる…」。
 きっと、実際に体験し、被害者(やられた側)の立場にならないと、全ては見えてこない。そのことを少しでも気がついたなら、歴史から学んだり、忘れてはならないことを忘れないことだ。

 消費や消費社会にしか関心がないと、感じることができないことだろう。しかし、どんな人もいつそういう立場になるかもしれないのだと思う。

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by saiseidoh | 2013-01-30 20:23 | 出版社 | Comments(0)

呉秀三

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 呉秀三、と言えば精神科医療や社会福祉にかかわる人ならば誰でもわかる。しかし、一般の方はほとんどが知らないだろう。

 この呉が1918年(大正7年)に書いた『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』の現代語訳が医学書院から刊行された。精神科領域ではかなり注目されているが、他の領域や分野でも関心を持って欲しい本、そして人物である。

 この古典的名著とその他の業績からわが国の「近代精神医学の父」と呼ばれている。

  「わが国十何万の精神病者はこの病を受けたるの不幸のほかに、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし」という有名な言葉は彼のヒューマニティーを示すものだと思うし、シーボルトや華岡青洲、外祖父・箕作阮甫等の伝記も著した、興味深い人物でもある。

 ※普段は宣伝めいたことは避けたいところだが、医学書院より刊行された、この現代語訳本は価値ある本のように思う。
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by saiseidoh | 2013-01-27 21:09 | 医学・医療 | Comments(0)

クロスロード「蔵」

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 友人に誘われて今日は地下鉄琴似駅地下2Fの「ターミナルプラザことにPatos」に行ってきた。

 ステキ複合イベント『クロスロード「蔵」』というイベントが明日27日(日)まで開かれている。身近な街で“ステキ”なものを見つけよう、というコンセプトか?

 アンチークな骨董、アクセサリーなどの小物、オリジナル絵葉書、雑貨等が並ぶ。2日間でミュージシャン14組も次から次へと登場する。入場チケットが必要だが、案外に若い人たちで賑わっている。

 地味でも、オリジナリティ溢れる小物、アンティーク類は貴重な物である。古本や新刊書も同じだろう。長く価値あるものを残す。ここに集まっている若い人たちにも古書や本の奥深さを知ってほしい(もちろん、すでに本マニアもいるだろうが…)、と願いながら会場をグルグルと回った。

 ところで、琴似界隈と言えば、かつては(ほんの10年前頃まで)古書店が4~5店は地下鉄琴似駅周辺だけでもあった。それが、最近のネット情報や本日5、6年ぶりに訪れ、車窓から眺めた感じでは「ケルン書房」、あと当方のあまり好みでない(笑い)ブックオフぐらいしか見つけることができなかった。

 本当に地域はどんどん貧しくなっていきますね。

 クロスロード「蔵」のようなイベントを通じて、本当の豊かさとは何か?それぞれが見つけていきたいものです。
 近々、ケルン書房等も久しぶりに覗いてみます。
 
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by saiseidoh | 2013-01-26 20:38 | 街(町)歩き | Comments(0)

意志の強さ・黒田夏子さん・園子温監督

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         (園子温初期監督作品『自転車吐息』作品チラシ)

 かなりの人が今回の芥川賞には驚いただろう。

 史上最年長、75歳の黒田夏子さんが受賞。まあ確かにその年齢にはびっくりするが、当方もそんなに大差ない年齢で、人生の大変な事、嫌な事を見続けてきた目にはそうでもないのかな、とも思う。

 いわゆる常識の目から見ると多少奇異でも、その内容を知ると、そうであるなら、受賞も当たり前かな、とも。つい最近朝日新聞に載っていた黒田さんの受賞の弁や、黒田さんを早稲田文学新人賞に選んだ仏文学者、蓮實重彦氏のコメントが感動的でもある。

 「日本がまだこのような人を育てる社会で、高度な文化水準を保っていた。これを認識し、…今までのやり方を変える機会になるといい」

 そうだと思う。金太郎飴のように画一的な文化、芸術ばかりを推奨するのでなく、それぞれの個性がこだわりを持つ、唯一無二のものを長い目で見る。

 以前にも触れたが、映画の園子温監督にも同じ匂いを感じる。

 「嫌われても、自分は妥協せずに納得できるものを作る」というポリシーを貫くー。自分が納得することが第一。確かに周囲にいる人間にとっては辛いこともあるだろうが、最終的にはこだわりを追い続けることの方が夢があるし、精神衛生的にもよいだろう。

 そうした姿勢に寛容な日本でもありたいものだ。蓮實氏が言うように、わが祖国もまだまだ見捨てたものではない、さまざまな個性を知らず知らずのうちに育てる、そういう覚悟をも持ちたいものだ。

 ※今回、映画のチラシの在庫をゴソゴソと掘り出していると、最近注目している園子温監督の『自転車吐息』のチラシも出てきた。かつては園監督もその作品の存在すらも知らなかった。近々、こうした映画チラシの販売も始めてみようか、と思います。

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by saiseidoh | 2013-01-23 21:11 | 文学・小説 | Comments(0)

高橋伸彰「少子高齢化の死角」

  
 経済学の本は、その評価が本当に難しい。他の学問でも似たようなことがあるようだが、経済、となると、誰が主張していることが正しいのかいつも悩まされる。

 高橋伸彰氏(立命館大学教授)によるこの本「少子高齢化の死角―本当の危機とは何か」(ミネルヴァ書房)も同じ悩みの延長上にある。一読後、高齢社会と少子化をめぐって、丹念にデータを積み重ねながらも納得できる主張・提言を行い、「なるほど」と思わせる。

 しかし、一方でその提言等に否定的な意見を読むと、そういう見方もできるのか…とか、意外に結構あることである。

 この「少子高齢化の死角」で当方の気持ちや普段の考え方に近く共感できるのは次のようなところだ。

 スウェーデンの経済学者、
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エスピン・アンデルセンが説く、5つの提言。

 ①女性の雇用を最大限に増大させること
 ②貧困から子供を救うこと
 ③ライフサイクル柔軟化のひとつとして定年制度を廃止すること
 ④柔軟化の2つ目として余暇と仕事の組み合わせ、すなわち生涯の労働時間と余暇時間を月単位、年単位  で働いたり休みをとったり、ある程度自由にできること
 ⑤平等概念を再検討すること―この5つ。

 それぞれに尤も、だと思う。

 だが、旧来伝統の経済学者はそんな事では成長路線を継続できない、と言いそうではあるが…。

 これからの時代、過去の研究・業績に学びながらも、大胆な発想や柔軟な発想を求めた方がいいとは思う。そうやって過去のことを辿っていくと、案外に昔からさまざまな考えがあることも多いのが事実だ。古典や本が持つ意味はこの辺にある。
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by saiseidoh | 2013-01-21 20:00 | 経済・経営 | Comments(0)

「昭和コレクション」訪問

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 古くからの友人と10年ぶりに会った。

 何となく知ってはいたのだが、大量のコレクションを収集している、というのだ。何となく会わない期間も時たま地元の新聞に「昭和コレクション公開…」のような見出しで、その活動ぶりが伝えられていた。

 実際に見て驚いた。

 点数にすると5万点ほどだとか。ご本人も未整理のものがたくさんあり、詳細は不明、とか。

 20年ぐらい前だと思われるが、ある神社境内(?)で行われた骨董市で箱買いした中に今ここに見ていただいている土器?の破片が紛れ込んでいた、という。縦横いずれも9.5センチほど。厚さは約2.5センチ。両面にそれぞれレリーフが彫り込まれている。

 彼によると、図書館学芸員など詳しそうな人にいろいろと聞いたり、調べても、いつ頃のものか、どこのものか、真贋すらもわからないそうだ。

 「紀元前の四大文明の遺構の一つではないか…」というのだが、どうだろうか?

 何か手がかりを与えていただける方はいないか、調査中です。レリーフは写真でも多少わかると思うが、宇宙人のような、剣?を持った人間が彫られている。確かに四大文明など、古代の遺跡で見るような雰囲気のものだ。

 ところで、同人の「昭和コレクション」は戦前戦後の絵葉書や雑誌、おもちゃ、マッチ箱ラベル、製品カタログ…それこそさまざま。北海道内が中心だが、首都圏、京都等の資料、産業遺品のようなものもたくさんある。いつか機会を改めて公開したい。
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by saiseidoh | 2013-01-20 08:53 | その他 | Comments(0)

映画のチラシ・吃驚!

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 最近すっかり映画館で映画を観る(鑑賞する)機会がないが、公私共々、「断捨離」しないとまずい、と思い、書斎(?)や書庫(?)を整理して驚いた。

 まあ、もちろん、本や雑誌も乱雑に溢れかえっているが、その他のものも整理すればするほど出てくるのだ。本日当方を驚かせてくれたのが映画のチラシ。こんなにいつの間に集めたり、仕入れたの?という感じ。

 10代の頃からせっせと映画館に通い、チラシを収集するのも楽しみの一つだった。数十年というのは莫大なエネルギーを生むものである。

 そして、チラシ1枚1枚を見ると、本当に時間が経つのも忘れるほど、見入ってしまう。チラシがチラシ以上に価値を持ったものにも感じられる。自らの、当時の思い出、その後の歩み…自然と思い返されるのだ。

 映画や小説、マンガ、絵画…こうしたものは文化やサブカルチャーとも呼ばれる。人間が辛く長い人生を歩んでいく中で、こうしたものは知らず知らずのうちに活力や慰めを与えてくれるのだ、と思う。

 長い長い文化やサブカルチャーの蓄積はとても大切なことだな、とも思う。
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by saiseidoh | 2013-01-17 21:05 | サブカルチャー | Comments(0)

PR誌

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 出版社のPR誌が意外に面白く、かなり集めた。かつては出版業界も景気がよかったのか、現在よりは(発行社が)多かったと思う。

 サブカルチャー系で面白かったのが、マガジンハウス社発行の『銀座3丁目から』。今手元にあるのは、“休刊「さよなら」号!”(1993年5月号)と、その年の2月号。今では記憶もなくなってしまったが、一時のめり込んだ執筆者の連載があり、その頃はだいぶ購読し続けた。1993年のものには、植島啓司の連載「裸のランチ」、小櫻ピエールの「東京流れ者」がある。果たして、これが当方のお目当てだったか?

 『銀座3丁目から』最終号には“マガジンハウスという会社”として社長インタビュー、マガジンハウス名企画TOP10総まくり、文化スタア列伝、回想の編集者五十年(清水達夫)など、興味深い記事が満載、である。

 『ちくま』もその落ち着いた佇まいが、読書好きにはたまらない。

 そして、『図書』。言わずと知れた岩波書店の名物PR誌。これだけが唯一、途中で一時中断はあるものの、現在まで購読続行中の雑誌。中学生の頃からだから、かれこれ四十数年の読者歴となる。

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by saiseidoh | 2013-01-16 20:14 | 出版社 | Comments(0)

ビブリア古書堂の事件手帖

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 ベストセラーや話題の本、タレント本は大嫌い(笑い)だ。だいたいにおいて内容がない、一過性である。中にはごく一部長く読み継がれるものもあるとは思うが…。

 しかし、毎日の新聞、ネット等を見ていると、たまに興味を惹きつける本がある。

 『ビブリア古書堂の事件手帖2』(三上延著、メディアワークス文庫)もそんなうちの一作品。古書店をめぐる、軽妙なミステリーである、という。珍しく普通の大手書店で購入した。

 (実は新聞の広告に載っていた女性主人公のイラストに惹かれたのだ…)きっと何かを購入したりする行為・行動というのはそうしたちょっとした“最後のひと押し”が必要なのかもしれない。その人にとっての付加価値、のようなもの。

 そして問題の内容。

 う〜ん、少し予想や期待とは何かずれている。わかりやすい言い方をすると、読み応えがあまりない。古書や古書店をめぐって、軽いミステリーに載せた人間ドラマの如きものを期待したのだが、そこまでの深みがない。

 裏表紙の見出しには「古書と秘密、大人気のビブリオミステリ」とある。

 剛力彩芽主演で本日よりテレビドラマが放映される。シナリオや手の加え方、映像等によると思うが、映像化した方があるいは感情移入ができるのかもしれません。


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by saiseidoh | 2013-01-14 14:48 | 文学・小説 | Comments(0)

ミステリー・横溝正史の文庫、そして北村薫…

 ミステリーはあまり読まないし、得意分野ではない。

 しかし、何だかんだと“縁”はあるようだ。

 彩生堂で扱っている横溝正史の文庫本は比較的反応がよく、アマゾンで注文が意外に入る(大した量ではありませんが…)。申し訳ないのですが、赤川次郎ら、ベストセラー連発のベテラン作家はほとんど反応がない(赤川次郎等はなにしろ街中の本屋、ブックオフ等に溢れかえっているから仕方がないでしょう)。

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 ミステリーのことを少し調べると、当然のこと、奥が深い。大変な数の作家が活躍しているし、新刊本の広告や各種文学賞、映画化等でもミステリーの話題が本当に多い。愛好家がそれだけ存在する、ということでしょう。

 直木賞の受賞が遅かった、何で2009年?…などと、かなりファンからは高評価の北村薫が同郷の先輩であることも数年前に知った。

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by saiseidoh | 2013-01-12 12:18 | 文学・小説 | Comments(0)

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