彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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神野直彦「『人間国家』への改革」

「人間国家」への改革―参加保障型の福祉社会をつくる (NHKブックス No.1231)

神野 直彦 / NHK出版


 日々の労苦。

 ぜひいい方向に向かってほしい。アベノミクスのような「景気がよくなれば…」すべてが解決するというような底の浅い思想・経済・社会ではなく。
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by saiseidoh | 2015-06-30 07:38 | 経済・経営 | Comments(0)

成田龍一「加藤周一を記憶する」

 昨日、講談社現代新書の新刊を紹介したが、北海道新聞読書ページで成田龍一「加藤周一を記憶する」(講談社現代新書)が取り上げられ、成田氏へのインタビュー記事があったことを今朝知った。

 中で成田氏は「歴史には、その一線を越えることで過去の光景、歴史の流れの意味がまるで変わったものに見えてくるーそういう決定的な出来事があります」と述べている。

 3・11の原発事故や「敗戦」がそれであり、加藤周一や井上ひさしなどを読み直すことで戦後を改めて見つめたい(見つめ直したい)という。

加藤周一を記憶する (講談社現代新書)

成田 龍一 / 講談社



★「労働法学者・藤田若雄」を書き直す
 前回、北海道文芸賞(ノンフィクション部門)で落選した妹背牛町出身の藤田若雄(労働法学者)を書き直すことにした。もう一度チャレンジ。
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by saiseidoh | 2015-06-29 07:31 | 歴史 | Comments(0)

講談社現代新書

最近の講談社の本が興味深い。

特に学術文庫や選書メチエ、現代新書。手に取り、読みたいと思わせる本の刊行が相次いでいる。

今日は新書のみを羅列する。

▼石田勇治「ヒトラーとナチ・ドイツ」
▼川田稔「昭和陸軍全史3 太平洋戦争」
▼寺尾紗穂「原発労働者」
▼「新・自衛隊論」

昭和陸軍全史 3 太平洋戦争 (講談社現代新書)

川田稔 / 講談社


★「沖縄の2つの新聞社はつぶさなあかん…」
 穏当でない発言で揺れている昨今だが、琉球新報、沖縄タイムスいずれも評価している。地域になくてはならない新聞だ。30年余り前の昭和56年、国会記者会館の「八日会」で沖縄の記者の方々とはデスクを並べさせていただいた。しかし、若気の至りで個人的に親しくなれなかったことを今でも忸怩たる思いでいる。
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by saiseidoh | 2015-06-28 11:12 | 出版社 | Comments(0)

高取英「寺山修司」

 ただ単に好きだから片手間に古本や新刊本をネットで売っているが、最近は本当に注文が入ることが少なくなった。

 大半はアマゾン。そして時折、ヤフーオークション。ネットに詳しい知人によると、ヤフオクはすごい数の人が常時見ているので、「極言すると何でも売れる」とか。しかし、本はそれほどではない。ほとんどが、今流行りのくだらない商品(笑い)ばかりではないか?(本も今手に入れたいベストセラーまがいのものには飛びつくのかもしれないが…)

 今日は本当に久しぶりに注文があり、高取英「寺山修司」(平凡社新書)をすぐに発送した。

寺山修司 (平凡社新書)

高取 英 / 平凡社



 寺山修司は短歌や演劇、そして映画…とどれを観ても、読んでもほとんど素晴らしく、面白い。こうした本が広がりを持つことは嬉しい。寺山修司ほどの才能はそうそう出てくるものではないと今でも思う。
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by saiseidoh | 2015-06-27 11:53 | サブカルチャー | Comments(0)

「生きる 劉連仁の物語」

 「茨木のり子詩集」(岩波文庫)を読んでいて、“りゅうりぇんれんの物語”と題する長い詩が気になっていた。1週間ほど前のことだった。

 25日の北海道新聞夕刊で、この詩に登場する“りゅうりぇんれん”=劉連仁のことが取り上げられていた。

 函館在住の児童文学作家、森越智子さんが劉連仁を主人公にした「生きる 劉連仁の物語」(童心社)という児童書を7月に出版する、というのだった。

いつかカッコウのように

森越 智子 / 新風舎


 茨木のり子の詩はこのように始まる。

 「劉連仁 中国のひと
 くやみごとがあって
 家に赴くところを
 日本軍に攫われた
 山東省の草泊という村で
 昭和十九年 九月 或る朝のこと
       …………         」

 文庫で38ページという長大な詩。そして、最後はこう締めくくられている。

 「時がたち 
 月日が流れ
 一人のちびは大きくなった
 楡の木よりも逞しい若者に
 若者はふと思う
 幼い日の あの交されざりし対話
 あの隙間
 いましっかりと 自分の言葉で埋めてみたいと。」

 
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by saiseidoh | 2015-06-26 06:40 | 文学・小説 | Comments(0)

障害者支援の仕事

 (精神)障害者を支援する仕事をここ20年近くしている。15年ほどは医療スタッフとして、そして今は退院後の生活をサポートする仕事。

 医療は医療で必要な時期があり、それが適切に提供される体制・組織が必要だと思う。医療の側はそのことをきっちりとやっていくべきだ。

 しかし、退院後の生活を支える仕事はとても大変で、医療とは比べものにならないほどエネルギーがいる。

 さまざまな理由で買い物の代行をすること(ご本人と一緒に行く場合もあるが…)も大きな仕事だ。

 昨夜は、利用者のために『月刊ザ・テレビジョン』を購入する必要があり、帰りがけに自宅近くの東京堂書店に寄った。しかし、ない。ここ数日、コンビニや書店を何回も周り、同じことを繰り返している。東京堂書店のレジで確認すると、「北海道での発売日は26日ですね…」と。あと2日。もう売り切れてしまったのか、と不安だった分、安心はしたが…。買い物代行はこれだから大変だ。買い物一つにもさまざまなドラマがある(笑い)。

 東京堂書店ではレジでわざわざ発売日を聴いたので、なんとなく何も買わないのもバツが悪く、興味があった『アサヒカメラ』最新号を買ってしまった。

 障害者の生活を支援する仕事はこうしたことの連続だ。エネルギーなくしてはできない。
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by saiseidoh | 2015-06-25 06:33 | 精神医学・医療・障がい者福祉/社会 | Comments(0)

新たなアイヌ史へ

 瀬川拓郎氏(旭川市博物館長)が朝日新聞北海道版に2回にわたり、「新たなアイヌ史へ」という文章を書いていた。2回目は20日付。

 先日、平取町を訪れて多少感じたが、すでに各地域にアイヌやアイヌが暮らし、生きた、その痕跡はほとんどなく、瀬川氏の文章は活き活きと、かつての姿を彷彿とさせる。

 本や資料の中でしかわかり得ない、というのも少々寂しいことだが…。

アイヌの歴史 海と宝のノマド (講談社選書メチエ)

瀬川 拓郎 / 講談社


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by saiseidoh | 2015-06-24 07:28 | 歴史 | Comments(0)

おきなわ文庫

長く絶版状態となっていた「おきなわ文庫」が電子書籍となって、復活した。

昨日の道新夕刊で紹介されていた。

 ソニーの電子書籍ストアなどで販売し、一定の売り上げはある、という。2冊の電子書籍をアマゾンで売っている当方としては電子書籍には多くを期待していない。書籍の内容、価値、話題性、売り方、PRなどにもよるだろうが…。

 ちなみに、「おきなわ文庫」と当ブログ(エキサイトブログ)のライフログでおきなわ文庫書籍を登録しようとしてもデータは出てこない。

響感する魂 和田武雄と森有正の晩年

宮内 義富 /



 ★我が家のアジサイ
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今年は花を付けるのだろうか?まだその兆しはないようだ。今年の夏は憂鬱だ。9月まで長い夏が続く。憂鬱なのは安保法制が原因している。廃案となることを祈る。
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by saiseidoh | 2015-06-23 07:32 | ★地方・小出版★ | Comments(0)

夢野久作「近世怪人伝」ほか

文春学藝ライブラリーから2冊。

▼夢野久作「近世怪人伝 頭山満から父杉山茂丸まで」
▼野呂邦暢「失われた兵士たち 戦争文学試論」

失われた兵士たち 戦争文学試論 (文春学藝ライブラリー 雑英 17)

野呂 邦暢 / 文藝春秋



「アサヒカメラ」7月増大号は“ヌードの境界”。

アサヒカメラ 2015年 07 月増大号 [雑誌]

朝日新聞出版


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by saiseidoh | 2015-06-22 07:33 | 文学・小説 | Comments(0)

白石かずこ“ことしが終わり始めていた”

ことしが終り始めていた

ことしが終り始めていた
ハゲ鷹の甘えた鳴声と
鋭い目をみた時 ことしが始まった
その鋭い目の中に 白痴の双生児が
住んでいて 雪が降っていた その夜明
老人がのどかな声で
ウグイスを呼ぶのを聞いた
それは あまりにウララカな絶望である
その頃 わたしはしだいに頭をオカサレタ
2ヶ月 わたしは頭が重い
頭の首の上にのせる直立人の生活の この
気が遠くなる ここ数万年よ

5月6月7月
緑の葉かげから ときおり猿たちの メスを
呼ぶ声が ムジャキにこぼれてくる
その頃 弟は結婚し スケヤになり
ニックはフロリダで入水し 永遠人になった
また黒人の道鏡マラキがちいさな娘をかかえ
ニュー・メキシコに去った だが
娘テリーは男と連れたって去った若いママ以外は
ビニールのトナカイさえも
こわがった
このような日々にも日々はあるか
すべてはなかった日々にちがいない
永遠に 永遠人が戻ってこない夏は
心臓が冷えつづけ 脈拍が生を不安にした
だが それでもことし
夏は一度だけあった

まんだらな車にのり
公園のけだるい夏の夕暮にいくと
松の木の間に夕陽が赤く
だらしなくブラサガリ
他の猿たちがフイワイさわいでいた
汗はとめどなく流れた
JAZZが熱してきたころ
わたしは 突然 はげしく泣いた
ハイウェイを走るグール・マーキュリ64の
かの男の鼻が ポキンと折れ
粉みじんに とびちる音を
数行の手紙から きいたのだ

秋がきて 星空がキラメキだすと
男根神が コスモスを活歩し始めた
男根は それ自体
精神でも ファルスでもない

が ようやくコスモスには
男の他に 女も在り
子宮もかなりの宮殿であることを知らさせた
そこらにチラバリ思索する盲目の女兎たちを
ベッドに追いたてて泣かせる怪神の
叱咤が 夜ごと ゲンシュクにきこえる
地球のセクスは
ようやく円にちかづき
全きアンドロギュヌスに
なるかにみえる
バラの木から 突然 男の児が生まれる

ナギ
人生がナグ
怠屈より 怠惰より 無気力より
悪徳があるか
それ以上
腐敗も効果を現さないところで ひんぴんと

出没しはじめる彼ら
猿の兄弟は輪姦あそびをし
もはや若くして 年老いた
その頃 Mはまたしても賞をもらう
そばで金貨を憎む人たちがつぶてを投げ合い
泣きくずれる舞踏がある
地下鉄のホームの内側で
ショーギをさす乞食たちのその汚れた豊かさ
外は 冬空である

風邪のひきかける頃
バードがやってきた
ソフィスティケイトな音楽であり
彼自体 ファルスの算数を知っている青年だ
悲劇を笑いころすほどに 彼は若く老いて
クリエイティブなセンチメンタリストだ
POETRYよ
おまえは どうするか

ソフィスティケイトな小鳥にめくるめくか
あるいは
大地のようにはるかから はねてくるカンガルーに
無駄な飼育をするか
カンガルーは 弾力のある後足で
彼の年輪を 遥かに越えたメタファまで
ジャンプする
だが
彼の無邪気さと 無智と
少々の邪気は 彼をまた
もとの地上に戻すのだ

数年前から なりつづけたトランペットが
一層ここのとこ まじかにきこえる
実は 台所から セキセイインコの
呼ぶ声である
古い固いパンをかじり 歴史にパンティをぬ
がせ 皇帝の語らった残酷の趣味の食卓に
ローソクを ともそう

明け方
気がつくとミュリエル
彼女は一人である
そして裸であり
カラのブランディ・グラス に幾万年来の
ない夢 失意 絶望を なみなみともり
いま 朝の
うすむらさきの光を浴びて
階段をのぼっていく (かくして)
古色蒼然として現代は
TODAYのコントンにつっこむ

 (「白石かずこ詩集」より)

★札幌の6月
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d0289139_12341564.jpg
(野のアザミ、新川沿いにて)
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by saiseidoh | 2015-06-21 12:41 | | Comments(0)

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