彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
by saiseidoh
プロフィールを見る
画像一覧

アマゾンプライム

d0289139_16281441.jpeg
 アマゾンプライムというサービスは私には全く合わない。昨年3月何もわからないままに契約してしまい(ネットはこういうことばかりだ。訳がわからないままにポチッとどこかを押すと、サービスを購入したことになってしまう=笑い=)、ひどい目に遭った。迅速な配送特典とか、プライムビデオ、音楽が見放題とか、聴き放題とか、観たくも聴きたくもない作品に時間を費やすなど、愚の骨頂だ。年会費3900円!!。黙っていると、また3月になり、利用したくもないサービスの会員となってしまうところだった。先程ようやくにして会員資格をキャンセルした。

 こうした事が当たり前と考える世代もいるのだろう。こうしてブログなどで発信し、恩恵ももちろん受けているのだが、デジタルはデジタルでより良いサービスの開発が必要と思うし、アナログの充実・強化ということの必要性を痛感する。

                       ※

 久し振りに弘南堂書店の均一棚に寄る。今日は2冊、500円。

[PR]
by saiseidoh | 2018-02-27 16:43 | 身辺雑記 | Comments(0)

人間力・本の力

 マリリンこと、カーリングの本橋麻里さん(LS北見)が次のように語っている(朝日新聞25日付)。

 「…カーリングしかしないという日本のスタイルには限界がある…。人間力のあるチームを作りたいというのがきっかけだった」

 全てにおいて通用するように思う。「働き方改革」=「働かせ方改革」にしかなっていない現政権の貧しい政策もそうだ。生産性のみを上げることに血眼になり、人間を観ていない。どんな場面でも人間はスポーツや経済活動のみをするわけではない。仮にスポーツを戦い抜き、勝ったとしてもそこに人間としての優しさやそこに至るまでの蓄積や生活や、文化がなければ社会にとっての夢や希望は何もない。

 

歴史のかげに美食あり 日本饗宴外交史 (講談社学術文庫)

黒岩 比佐子/講談社

undefined


 私たちは人間としての豊かさや優しさを常に意識し続けたい。それらを獲得するものとして、本の力は限りない(はずだ)。


 


[PR]
by saiseidoh | 2018-02-25 08:02 | その他 | Comments(0)

「この世の幸」

  「この世の幸」

 居ごこちよく、きよらにも美しき家を持ち、
 匂はしきに樹林にかざられし庭を持ち、
 木の實をもち、うま酒をもち、身辺にわづらひすくなく、子らもまた多からず
 ただひとり、ひそやかに、心まめなる妻を愛す。

 負債なく、色恋もなく、公事もなく、いさかひもなく、
 うかららと分ちあふべきものもなく、
 乏しきに足らひ、権勢に求めず、
 もろもろの思ひ、すべて正しきをもって矩とす。

 虚心をもって生き、身に過ぎたる思ひを離り
 心すなほに信心に身をゆだね、
 欲念をおさへ、これをしたがへ、
 つねに捉はれざる心を持し、正しき判断を失はず、
 ひたすら道念をみがきて詔経をもって心とす。
 これやこれ、心しづかに往生を待つ姿ともいふべきか。

                (クリストフ・プランタン)

  ※「樹林…」「詔経…」などが旧字体その他の理由で適切に表記できていません。ご了承ください。
 

[PR]
by saiseidoh | 2018-02-18 09:55 | | Comments(0)

「山内義雄譯詩集」

d0289139_21363244.jpg

d0289139_21362447.jpg
 北大前の弘南堂書店均一棚から購入したと記憶しているが、角川文庫の「山内義雄譯詩集」初版本がアマゾンで売れた。

 手に入れた時にも気づいたが、中表紙の上の方にフランス語と思われる小文と山内義雄、とのサインがあった。弘南堂書店は北大前にあり、北大の研究者や教職員、関係者とのつながりはとても深い。生前、山内が北大の親しい研究者にサインし贈ったものが、今ここにたどり着いたような気がしていた(あるいはサインは山内のものではないということもあるだろうが…)

 山内義雄、という翻訳では好きだったシャルル・ルイ・フィリップの「母と子 母への手紙」などで覚えている。そして、この詩集。なかなかに味わ深い詩集ではあるのだ。


[PR]
by saiseidoh | 2018-02-17 07:34 | | Comments(0)

「魂の秘境から」

d0289139_07375908.jpeg

 作家池澤夏樹さんが「ぼくのもとに無常の使い」と題して石牟礼道子さんの死を悼んでいる(12日付、朝日新聞)。朝日新聞掲載は最後となった連載「石牟礼道子 魂の秘境から」。私の習慣になっている新聞記事スクラップ帳に最後の文章を貼り付けた。

 池澤さんも書いているが、石牟礼さんは現世の生きづらさゆえに最初から異界・異域にいて、それ故にか水俣病の患者たちと連帯していた。

              ※

 死に至る時、「無常の使い」が迎えに来る(あるいは知らせに来る)、といった幻想的、異界的な事柄もすっかり現代の社会では感じることができなくなった。私が幼時~小学生ぐらいまで一時過ごした秋田県東成瀬村も奥羽山脈の山懐に抱かれたような地域で、祖母がよく「あっちの山奥に今夜も狐の嫁とりの列っこが見えた」などと話聴かせてくれたものだった。異界・異域は私たちの世代がわずかに知り得る世代の最後なのかもしれない。




[PR]
by saiseidoh | 2018-02-12 07:46 | 文学・小説 | Comments(0)

柳澤寿男「夜明け前の子どもたち」

 大学時代に函館で障害児に関わるドキュメンタリー映画を学内で連続して上映した。すでに40年ほど経った。本来内向的・内向きの人間である私があれほどのエネルギーを持ち得たのは何故だろうか?とよく考える。

 上映したのは糸賀一雄らの「この子らを世の光に」や柳沢寿男「夜明け前の子どもたち」、その他とてもたくさんのドキュメンタリー映画を借り受け、上映した記憶がある…。

 しかし、「夜明け前の子どもたち」の映画は知ってはいても、監督までには思い至らなかった。つい最近、北海道新聞に“福祉映画の先駆者に光”として都内で特集上映されることが報じられていて、柳沢寿男さんという方を改めて知った。

そっちやない、こっちや 映画監督・柳澤壽男の世界

岡田 秀則+浦辻宏昌 編著/新宿書房

undefined


                ☆

 石牟礼道子さんが死去した。池澤夏樹さんらがよく触れているが、「ノーベル賞受賞にも値する業績」を残した方だと思う。人間や人類にとってとても大きな視点・視野を提供したように思う。



[PR]
by saiseidoh | 2018-02-11 07:55 | 映画・映画の本 | Comments(0)

「サライ」3月号“神保町を歩く”

サライ 2018年 03 月号 [雑誌]

小学館

undefined


 「サライ」はいつも気になる雑誌だ。3月号の特集は「鮨は地元前がうまい」と「神保町を歩く」。神保町を歩く、の方がよい。全くわき道に逸れるが、なぜこんなにも使えるお金がないのか?自分でも不思議だ。この「サライ」一冊でさえ購入しようとすると四苦八苦する(笑い)。地元前の鮨を楽しむ、などはもってのほかだ。そんな余裕は夢のまた夢だ。いつ頃からこんなことになってしまったのか、本当に不思議なことだ。

 「サライ」ということでは、いつも畏友(異友?)、写真家の長尾迪さんを思い浮かべる。今では格闘写真家として国内外で活躍しているが、札幌で過ごしていた若い頃は私が勤める出版社雑誌の撮影やサライの道内での撮影を一生懸命にやっていた。そんなことを思い出す。

 facebookではつい最近、そんな長尾さんが囲碁の井山裕太氏の対局写真を撮っていた旨の動向も知る。機会があれば長尾さんが都内に開設した写真スタジオも訪れてみたいのだが。



[PR]
by saiseidoh | 2018-02-10 07:32 | 古書店 | Comments(0)

デジタル化の誘惑・堕落

d0289139_13385212.jpeg
 最近よく考えていることと同じことを栗原哲也さん(日本経済評論社社長)が「神保町の窓から」で書いている。

 エッセーのひとつの「国会図書館の堕落」。国会図書館がこのところ進めている(だいぶ以前からかもしれないが…)デジタル化、「来館しなくても誰もが国会図書館にアクセスできる」というサービスについて、だ。一見良さそうに見えるサービスだが、現在の印刷文化を否定する取り組みともなってしまう。

 デジタル本やデジタル化は途中でつっかえたり、考え込むというアナログだからこその人間の行為が省かれてしまう、と言うのだ。本来辿るはずの調べるという行為、どこにあるのか探る行為、実際にそこに行き現物に触れるという行為、その旅の中で感じるという行為、その地域の風合い・香り、人との出会い…。

 デジタル化を行い、全ての人にそれを公開するー。印刷文化の総本山であるべき国会図書館がそうしたデジタル化事業を重点事業として取り組むことなのか?貴重な資料や本を必要とするなら、自らの足とお金と、知力を使って原資料がある、その場所に出かけるべきだ。実は、これまではそうした営為の数々が人間の成長につながってきたのではないだろうか。

 事や物事は全てデジタルでいいよ、とそういう世界を目指すなら仕方がない。デジタルではない世界や分野にもっと私たちはエネルギーを割くべきだ(と、そろそろわかってもよさそうなものだが…)。


[PR]
by saiseidoh | 2018-02-06 13:54 | 電子書籍・データ | Comments(0)

野間宏「真空地帯」

真空地帯 (岩波文庫)

野間 宏/岩波書店

undefined


 北海道新聞読書欄より拾う。

貧困の戦後史 (筑摩選書)

岩田 正美/筑摩書房

undefined


書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫)

ガブリエル ゼヴィン/早川書房

undefined



[PR]
by saiseidoh | 2018-02-04 08:25 | 新刊 | Comments(0)

自立支援施設火災

d0289139_08275620.jpeg

 時代にはやはり節目となっていく事件や事故、出来事ということがあるようだ。1月31日深夜に札幌市東区の共同住宅で起きた火災事故(事件?)。

 主に生活保護や低所得の人たち(高齢者が多かったようだが…)が安い費用で次の住居や就労に向け共同で暮らし、サポートするスタッフもいたようだが、確かに制度的にはどこにも位置付けられない施設?(住居?)としか言いようがない。全国には同様の施設が多数あるだろう。地元の秋元札幌市長が何らかの手立てを考えていかなければならない旨(規制という方向ではない趣旨のように感じる)の発言をしているが、正解だろう。

 昭和9年3月に当時の北海道の中心都市、函館を襲った函館大火。昨年ようやく宮崎揚弘氏が「函館の大火 昭和九年の都市災害」として本にまとめた。今回の火災ではより社会的背景が絡み合っていて、その解決には行政や関係機関、民間の英知が必要だと思う。そして、短絡的ではない、歴史的・制度的な視点も持ちたい。

[PR]
by saiseidoh | 2018-02-03 08:30 | 歴史 | Comments(0)

外部リンク

フォロー中のブログ

ホクレレ2

最新のコメント

先日、大橋巨泉についてブ..
by プログレ at 20:12
本当にそうですね。東京に..
by saiseidoh at 20:15
乾ききった魂に、沁み込ん..
by JUNNKO at 12:17
私も同じかもしれません。..
by Takeshi at 23:24
 評論、というほどの事は..
by saiseidoh at 12:43
日経の文化欄を好むもので..
by Takeshi at 12:12
私も一度、登山で行ったこ..
by プログレ at 16:10
 コメント有難うございま..
by saiseidoh at 21:34
世の中ではびっくりするほ..
by saiseidoh at 20:20
ブログにコメント書くの初..
by きょうこ at 21:55

メモ帳

最新のトラックバック

venushack.com
from venushack.com
www.whilelim..
from www.whilelimit..
www.whilelim..
from www.whilelimit..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
浮世絵の誕生・浮世絵の歴..
from dezire_photo &..
電子貸本Renta!で評..
from 最新お得情報

検索

ブログパーツ

最新の記事

「自分の作りたい本」
at 2018-11-16 20:16
復刻出版(2018年11月)
at 2018-11-15 17:38
第52回北海道新聞文学賞に澤..
at 2018-11-01 07:46
岩波新書創刊80年記念「はじ..
at 2018-10-11 21:11
「水俣 そしてチェルノブイリ」
at 2018-10-07 07:58

ファン

ブログジャンル

本・読書
北海道