彩生堂備忘録


店主:宮内義富、札幌在住。「本の力」「人の力」が必要な時代です。ものごとを、明治以降生まれた様々な思想や文学、社会学、医療や医学、性その他に関する学問・研究など、多面的な物差しで見ていくことの必要性も痛感します。
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私の東成瀬村

 あんばいこう「『学力日本一』の村 秋田・東成瀬村の一年」(無名舎出版)の書籍広告が最近目に付く。

 “学力日本一の村”とタイトルには銘打たれているが、アマゾンの紹介などを見ると、東成瀬村の歴史と文化を探り、歩いたルポルタージュのようだ。それなら、読みたい、と思う。

「学力日本一」の村─秋田・東成瀬村の一年

あんばい こう/無明舎出版

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 以前にも触れたが、秋田県雄勝郡東成瀬村は私の両親の出身地だ。私が生まれた頃から小学生ぐらいまでは東成瀬村と東京の下町を行ったり来たりしていた。

 鮮烈な印象は小学一年に上がった時代や高学年になって東京から帰省し何回も夏休みを故郷の山や川で過ごしたことだ。この本にもあるように、人口2600人程度の自然豊かな村。昔からそんな村だった。しかし、歴史は古く、岩手と結ぶ仙北街道やマタギなどなど、自然も文化も豊かな土地柄だ。

 こんな村がなぜ学力日本一なのか?それはそれで興味深いところだが、むしろ、その豊かな歴史や文化にこそ、スポットを当てて読まれるべき本ではないか。

 全国津々浦々の村や小さな町にも、同様の素晴らしい物語があるはずだ。

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by saiseidoh | 2018-09-23 20:00 | ★地方・小出版★ | Comments(0)

さっぽろ文庫93「北の本三〇〇」

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 1年ぶりにサッポロ堂書店を訪ねた。相談したいこと・聴きたいことがあってのことだ。

 しかし、さまざまなネットワークを持つご主人は入院中とのこと。1年もご無沙汰していると、その間にいろいろなことがある。

20代と思われる女性スタッフに少しのことを聴き、さっぽろ文庫93「北の本三〇〇」を購入し、帰ってきた。

 サッポロ堂書店前にはいつの間にか、均一本を並べる書棚が置かれていた。2冊500円か、1冊500円の本である。興味深い本がかなり並んでいる。

 「北の本三〇〇」の執筆者には小山心平さん(故人)の名前もある。発行された頃(平成12年)はほんの一時期、職場を共にし、その後独立した小山さんらが共同オフィスに使っていた「さっぽろ文化企画」の一隅に私もデスクを置かせていただき、出入りしていた時期でもある。

 知らない間に小山さんたちはこうした貴重な仕事もされていたようだ。今更ながら後悔も含め、いろいろなことを考える。



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by saiseidoh | 2018-09-22 07:19 | 古書店 | Comments(0)

「月もいいがせめて日帰りバス旅行」

 いつも『朝日川柳』の欄を読んで、庶民(と言うと昔風になってしまう。今なら市民、と言ってもいいだろう)の本音はここに毎日投稿されるような気分ではなかろうか?と切実に思う。

 例えば、本日付け。

 「月もいいが  せめて日帰り  バス旅行」
 「泡の金  湯水のごとく  月の夢」
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 そして、昨日付けの『かたえくぼ』欄では-。

 「『敬老の日に願い事』  軽老にしてほしい ー高齢者」

 ネットやネット通販の時代、とやらで、ZOZO◯◯○の若き社長が世界で民間初の月旅行を買い占めた、とか。夢がある、と賞賛する意見もあるだろうが、賞賛などとんでもない。市民感覚からすると、月旅行などに何の夢も希望もない。ましてや川柳子が歌うように泡の金のようなものだ。そんなことにエネルギーを使うより、足元を見つめろ、身近な生活の課題はどうやって解決するんだ、と思う。むろん、お金があれば解決できる、などということはこの世の中にあるようで決してないものだ。

 朝日川柳氏はそういう気分を皮肉も交えて読んでいる。

 働く、ということについてもずっと考えている。何で私たち日本人はこんなに貧しい働き方しかできないのか?現役の世代を過ぎても、働きやすければいくらでも社会に貢献する。貧しい職場しかないから、みんな疲弊しているだけなのだ。



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by saiseidoh | 2018-09-20 09:32 | 身辺雑記 | Comments(0)

「家(チベ)の歴史を書く」「戦後ヒロシマの記録と記憶」

 記録や記憶、そしてものを「書き残す」ということについて最近よく考える。

 “もり・かけ”事件のせいもある。それより何より私たちの周囲では、記録する、ということについてとても軽んずる空気が漂っているからだ。

 正確に、客観的に記録する、ということなしに、人間の進歩というものがあるのだろうか?それは、どんな組織体でも同じように思える。職場、企業、団体、政党…虚偽も交えたきれいごとばかりを並べたのでは、意味はない。事実として何があったのか、正確に記し、記憶に残しておくことで、未来の人類がさまざまな判断をすることができる。

 私たちはともすると、政治や行政のことを考えがちだが、むしろ大切なのは日々の自らの生活と記録、家族の生活と記憶であり、職場や団体等での記録や記憶の方ではないだろうか?


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by saiseidoh | 2018-09-16 18:27 | ノンフィクション | Comments(0)

徒然に…

 木曜日の未明はさすがに驚いた。ぐっすりと眠りについていたのだろう、激しく寝室が揺れて初めて気が付いた。(迂闊にも気がついたのは)揺れが収まった頃だろうと思う。

 家人は新聞配達で、すでに居なかった。二階に居た三男がいつの間にか降りてきて、枕元で懐中電灯を持ちながら何かを叫んでいた。

 暗い中確認すると、ほんの少しだが食器やガラスが落ち割れ、あちらこちらに“積ん読”状態だった本の山が崩れている。そうこうしているうちに、出先からの家人からの携帯が鳴った。互いの無事を確認。
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 木曜、金曜と停電だったせいもあろう。その日から、やむを得ず仕事に出ることができなかったせいもあろう。直接被災した訳でもないのに日常の生活は気もそぞろで、何かフワフワとしていた。今も何だかそんな感じだ。昨日届いた新聞に各文芸誌の書籍広告が出たようだが、本日、切り抜きを始めてその広告にようやく気がついた。

 直接被災したのではないが、何か心が落ち着かない。

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by saiseidoh | 2018-09-09 13:19 | 身辺雑記 | Comments(0)

大江健三郎「政治少年死す」

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 作家、星野智幸氏が大江健三郎「政治少年死す」について書いている(本日付、朝日新聞文化・文芸欄)。「57年間も封印されていると、時代は一巡りして、過去の作品のはずなのに、現代にふさわしい新作のようにさえ思える。…」

 大江健三郎の作品は学生時代、理解できないままに、「格好をつけるようにして」読んでいた。それでも、やはり「芽むしり仔撃ち」「死者の驕り」「飼育」など、初期作品は鮮烈な読書経験として刻まれている。

 「政治少年死す」はきっと未読だが、この星野氏の文章によって、ぜひ読みたいと思う。講談社発行の「大江健三郎全小説」第3巻で読めるようだ。


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by saiseidoh | 2018-09-02 08:13 | 文学・小説 | Comments(0)

「蒐める人ー情熱と執着のゆくえ」

蒐める人―情熱と執着のゆくえ

南陀楼綾繁/皓星社

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by saiseidoh | 2018-09-01 07:25 | 古書店 | Comments(0)

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